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“HIT-MAN”の異名を持つLAロック界のパイド・パイパー

JOSEPH BROOKS

ロサンジェルスは様々な音楽やクラブシーンがあり、他のどんな大都市よりもサブカルチャーが盛んな街である。1970年代のLAはパンクロックが盛んだった。元はイギリスからやって来たものが独自のファッションや音楽を生み出していた。

ジョセフ・ブルックスは、当時のハリウッドで最も成功した、最もクリエイティブなダンスクラブのDJ&プロモーターであり、ゴス、エレクトロニカやその他ダンスミュージックをアメリカのアンダーグラウンドに紹介した人物でもある。また、U2、デペッシュ・モード、カルチャー・クラブをアメリカに初めて紹介したり、ガンズ・アンド・ローゼズのファーストデモを買い、ゲフィンと契約させたりもした。
それが彼を“HIT MAN”や“LOCAL LEGENDS”と呼ばせる所以なのである。

1981年、ジョセフはメルローズ・アヴェニューに彼が営んでいた輸入インディー・レコード店、VINYL FETISHと隣り合わせにVEILというLA初のゴシック・クラブをオープンさせた。その後ゴスがLAのもう1つのサブカルチャーとなった。それからもグラムロックに特化したクラブ、FETISH、SIN-A-MATIC、COVEN 13、MAKE-UP、CHERRYを次々にオープンさせ、ヒットさせた。

一方、VINYL FETISHは、デュラン・デュラン、スージー・アンド・ザ・バンシーズ、バウハウス、ザ・スミス等、数多くのブリティッシュ・バンドがアメリカに来て最初に立ち寄る店となり、しばしばメルローズ通りが通行止めになる程の人だかりを作っていたという。
また、ジョセフは人気ラジオ番組やブリット・ポップのインディー・クラブ(BANG!)で毎週土曜の夜のレギュラーDJも務め、ニュー・ロマンティック、ゴス、フェティッシュ、サンセットストリップ・グリッター・ロック、グラム・リヴァイバルをハリウッドに住むキッズ達に広めた。

そんな音楽業界での多くの偉業を成し遂げた男、ジョセフ・ブルックスはガンズのプラチナムとゴールド・ディスク、ブライアン・フェリーからデビッド・ボウイまで、彼が世に送り出した全てのアーティストのサイン入りポスターやレコード等、歴史的にも価値のある貴重なコレクションを所有していた。
しかし、2006年に娘がそれらを引き継ぐ気持ちがないと知ったジョセフは20年間かけて収集してきた全てのコレクションを売り払い、少年時代より収集していた天然石に特化したジュエリーを作り始めたのだ。

LAのロック界を熟知したジョセフが生み出すジュエリーは、性的魅力や力強さに満ちており、とても重厚で、洗練されている。また、伝統的なパンクロック・スピリットが込められたスカル・ピースや自然色豊かなパイライトやオニキス等を使っている。
また、一目見て彼の物と分からせる、彼が作るほとんどのジュエリーにぶら下がっているスターリング・シルバー製のメダルには、バード・ウオッチングが好きなジョセフらしくイーグルが浮き彫りにされている。

彼の作るジュエリーはマドンナ、レニー・クラヴィッツ、ブリトニー・スピアーズ、ジョナス・ブラザーズ等によってコレクションされている。

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